バイパスダイオードの不具合
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お世話になります、エネテクの松尾です。
先日伺った発電所にてドローン点検を実施した際、
モジュール全体が発熱している箇所が発見されました。
当該箇所へ向かい、目視にて両面とも確認したところ、
外観上問題はありませんでした。
次に、電圧およびインピーダンス測定を行ったところ、
電圧はほぼ 0V であり、またインピーダンスの値は低い値を示しておりました。
これらの状況よりこのモジュールは、
「バイパスダイオードの短絡故障」である可能性が高いと判断致しました。
バイパスダイオードは、
本来モジュールに影がかかった場合などに
発電量が著しく低下することを避ける目的で、
一般的な結晶系のモジュールには3個取り付けられています。
例えば、1個のバイパスダイオードが短絡してしまうと、
1/3のセルが発電に寄与しなくなり、
モジュールとしては2/3の発電量となります。
加えて、モジュール内に短絡ループが出来てしまい、
場合によっては発熱・焼損をしてしまう可能性があり、
早期に発見・交換することが重要です。
今回のモジュールは電圧がほぼ0Vであり、
3つのバイパスダイオードが短絡したことにより
ほとんど発電しておらず、発熱している状態であると考えられます。
短絡の要因については不明ですが、
一般的には、初期不良や雷サージ、発熱よる劣化などが考えられます。
ちなみに、バイパスダイオードの開放故障は、短絡故障と異なり、
通常時は発電量への影響がほとんどなく、
発見することが困難な故障です。
開放故障が発生すると、
影などがかかった場合に迂回する経路がなくなってしまい、
ストリング全体に影響し、発電量が大きく下がってしまいます。
弊社では、
このバイパスダイオードの開放故障を発見するソリューションも有しており、
点検時に見逃すことがないよう日々努めております。
ご興味がございましたら、お気軽にお問合せ頂ければと存じます。
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