直列枚数は揃えましょう
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お世話になります、エネテクの松尾です。
先日伺った発電所にて、精密点検を実施するためPCSを停止後、安全を考慮し、各ストリングに電流が流れていないことを確認するため電流計で測定すると、通常時と同等の電流が流れているストリングが見つかりました。
このままでは点検のためにストリングを切り離す際アーク(火花放電)が発生し、機器の焼損や作業者の感電・火傷につながる恐れがあるため調査を行ったところ、下図のように直列枚数が異なるストリングが、PCS内で並列に接続され、その電位差で逆流していることが原因でした。
運用時においても逆流によりパネルの損傷など安全な運用を阻害するだけでなく、発電量の低下につながってしまいます。
国内メーカーの接続箱などでは逆流防止ダイオードが備わっており、上記のような症状を防ぐことができるものもあります。
また、小型PCSにおいてもストリング単位でMPPTを行うものなど、内部回路の構造の違いで逆流しないものもございます。
しかし今回の設備では、上記のような構造ではないため、PCSの構造を再度確認し、下図のように別々のMPPTに接続されるように繋ぎ変える対応を致しました。
これにより、点検時の危険回避はもとより運用時における機器の損傷や発電量低下は回避できましたが、長期安定運用を考えた場合には、ストリングの直列枚数は揃えることをお勧めします。
余談ですが、身近なところで乾電池を使用する際、種類の異なるもの、新しいものと古いものを一緒に使用すると、上記事案のように電位差で電池の破損につながる恐れがありますのでご注意ください。
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